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聴き書きブックスができること
~ インタビュー、書き起こし、製本 ~

インタビュー

~聴くプロフェッショナルがインタビューをします~

インタビューを受けながら話すことで、今まで思い出せなかったことやご自身でも気づいていないようなその人らしさが現れてきます。一見ご本人が格好悪いことだと思っていることが実はその人らしさを表現するものであったり、他人からするとそこが知りたいことであることがよくあります。

もちろん話したくないことは伺いません。話したいことだけを話していただきますが、一つ一つの出来事にあるその人の想いや感情など本人が考えるだけでは出てきにくい部分をホテルでの接客経験やコーチングというコミュニケーションを学んだ、聴くことのプロフェッショナルが丁寧に伺いますので安心してご自分のことを話すことができます。

一般的な自分史の場合、ご自身で振り返りご自身で書き上げていきますが、その場合に自分の思いつくものだけになってしまったり、良く見せようと思って良いところや格好良く書いてしまいがちになります。インタビューを受けることは物語の幅をもたらしてくれます。

 

 

書き起こし

~書き手が文章を創ります~

自分で文章を書くのは、もっとも困難な作業に感じている方が多いと思われますが、私たちはインタビューの際に録音をして、それを書き手が文字に起こします。話すことだけに集中できるのも良いところです。

書き手は録音を何度も聞き返しながら、その人特有の言い回しや、言葉遣いをそのまま丁寧に書き起こします。その場にある空気感や人柄、情景が浮かぶような文章が出来上がりますので、出来上がったときその本を手にしながら、その人の存在を感じられるような文章が出来上がります。

出来上がった時にご本人に読んでいただき内容を確認していただきます。もしも加えたいことや言い換えたいことなどがあれば、ことのときに致します。また本に載せたいお写真があれば加えます。

製本

~全ての工程を手作りでお創りします~

一般的に製本は出版社にお願いをして、その出版社から勧められる製本スタイルで機械によって作られますが、私たちはヨーロッパで製本を学んだ創り手が要望を伺い、本の色や大きさ、表紙の生地、栞、見返し(表紙と本文を繋ぐ紙)など一つ一つをオーダーメイドですべての工程を丁寧に手作りで行っています。実際に文章が出来上がったときにお時間を頂いて選んでいただきます。まさに世界で唯一の物語を、世界に一つしかない本に仕立て上げます。

​出来上がった本を手にしたときに、手触りからその人の人柄が伝わり感動を覚えるでしょう。それは周りの人にとって、お孫さんのように新しく生まれてくる受け継ぐ人たちにとってこれ以上ない人生の参考書となるでしょう。

​この活動を始めるきっかけ

2011年の東日本大震災のボランティアで、被災された方にインタビューをすることで元気になってもらう活動に出会いました。

自分の人生を語ることで元気になる、そしてそれを文章にしたものをご家族の方が読んだ時に、今まで知らなかったことを知ることで家族の関係が深まることが起こる。「生きる力は物語のなかにある」そんな体験をしました。

これは被災された方だから、必要だったわけではなく日常のなかで物理的にも精神的にも人や自分自身とつながりを感じにくくなっている世の中に求められているような気がして、「人生の物語を本にしよう」とまずは個人でこの活動を東京で始めました。

 

初めてのインタビュー

東京で聴き書きを始めることにして、最初に聴き書きをさせていただいたのは80代の女性の方。最初は「私の話なんて大したことはないのよ」と言っていましたが、話し始めると本当にいろいろな出来事や想いが蘇ってきていました。

 

インタビューが終了したときには、その方の表情は穏やかでありながらも生き生きとしていて、そして「私が経験した戦争の体験は伝え残さなければいけないわ」と思い立ち、20代から80代まで総勢30名ほど集めて戦争体験を語る会を開いたのです。

 

自分がどんな人と出会い、どんな経験をするなかで、何を感じ、何を大事にしてきたのか、物語を語ることでそれが明らかになっていきます。そうすることで、自分で自分の人生を生きることに意識が向いていくのを目の当たりにしました。

 

これはやはり求められていると確信もしましたし、その人にしかないものが立ち現れる瞬間は私にとって強く強く惹かれるものとなりました。

 

とはいえ、私はインタビューをする経験もありませんでしたし、文字起こしから文章を作ったことも、もちろん本を作ったこともありませんでしたからどうやっていいかわりませんでした。聴くことはコーチングで学んでしましたし、ホテルコンシェルジュという接客をしていましたので何とかなりましたが、録音したものから文章を作り、それを製本するのに苦労しました。

ただ、続けていると不思議なことにどこかでこの活動を聞いた人から「聴き書きをしてほしい」と声がかかったり、「人の言葉を文字にするのが大好きなんです!」と二つ返事で書き手を担ってくれた岡部さんや私の活動に賛同した手製本の活動をしている本間さんが仲間に加わってくれました。嬉しさはもちろんですが、なんとも不思議な出会いがあり、それがこの活動を大きく支えてくれました。

 

この活動を始めて20名以上の方にインタビューをしてきましたが、すべてがまったく異なるとても魅力的な物語で毎回引き込まれています。そして何を大事にしているかを知ることで生きている実感を、自分の大切な人が何を大事にして生きているかを知ることでつながりを実感できるのだということが分かってきました。

 

自分の物語を本という形にしたあとに人生がより色鮮やかになったり、生き生きとして自ら歩んでいく姿を目の当たりにしてきました。そうやって、自分らしく生きることの大切さを実感した人が、周りの大切な人をも巻き込んで幸せになっていく。それがこの活動の願いです。

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